ライフプラン教育  – フィードバック –

先日ゲストスピーカーとして参加した甲南大学でのライフプラン教育。楽しみにしていた受講生の感想を共有していただきました。

仕事と子育てはまだまだ先のことでイメージがわかない。だからそれぞれが異なった視点で、素直に感じたことを記してくれて、何度も何度も読み返しました。

受講生の感じたこと(の一部を抜粋)

「男性で育休を取る方が増えつつあることを聞いて、母親と父親がうまく役割分担をすることができる社会が実現しつつあるのではないかと思った。」

「自分が母親になり、子を育てるようになるのはまだまだ先のことではあるけれど、はじめから子育ては上手くいくものではない、一人で乗り越えられるものではないとわかっていれば少しは楽なのではないかと思う。」

「育休や子育てが仕事にプラスになる面があるということは今後も伝えていくべきなのかなと感じました。」

「今日の話を聞いて、やっぱり子ども1人に対して大人1人で育児をしている時はイライラしやすいと言っていたので、身近で1対1の育児で困っている人がいたら少しでも力になりたいと思いました。」

「男性目線からの男性の育休の話を聞き、女性が感じる不満など、実感を持って語ってくださることで、今後、僕自身のワークライフのバランスにおおきく関わってくるのではないかと思う。」

「2人の子供だから2人で育てるのは当たり前のことなのに、どうして日本は女性ばかりしているのか疑問に思った。育休を男性が取るのはすごいとほめられることではなく、それが当たり前の世の中になったらいいなと思った。」

「ストレスや子育てから解放を感じたのがラーメン屋さんという話は少しおもしろかったです。母もたまに会社の休みに一人で出かけてストレスを発散しています。」

「自分もまだアルバイターですが仕事をするのが好きなので自分のワークライフバランスを考えてみるとおそらくライフの中にワークが入りつりあいが取れると思います。」

「私は結婚したくない派なので、将来、子供を育てるという経験をするかどうか分かりませんが、もし子供ができたら気合を入れて育てなければならないと考えました。」

「育児休暇を男性が取るというイメージは自分自身ほとんどなくて、自分のライフプランの中でもイメージは全くしていませんでした。私はお母さんが毎日帰ると家にいて、会話をして、子供を大切にしていくという家庭で育てられたので、そうする方がいいのではと思っていましたが、お母さんの負担を考えると男性の育児休暇もとても大事な事だと分かりました。」

「自分が仕事をしていて、育児休業を取ることになったら、やっぱりまず職場のことを考えてしまうと思います。取れるけれどそれで職場にどれだけ影響を与えるのかとか、職場の同僚や上司にどのように思われるのだろうとなったり、最初は取るのに躊躇してしまうかもしれないと思います。」

「子育てをする母親にとって専業主婦になるのではなくて共働きで自分が働いていける世界を残した方が良いという話を聞いて驚きました。自分は今まで赤ちゃんができたらそれから先子育てをしなければならないので、働く勤務先をなくした方が母親にとっては楽なのでないかと思っていました。自分の母親も昔は専業主婦だったのですが、どこか生きがいを感じてなさそうでしたが、仕事を始めると大変そうにしていますが、とても人生を楽しそうにしています。」

「私は子育てよりも仕事の方が何倍も大変だと思っていましたが、仕事と同じかそれ以上にとおっしゃっていて驚きました。」

ライフプラン教育

育児休業を取得した男性へのインタビューをきっかけに、10年以上前からお付き合いいただいている甲南大学の先生にお招きいただき、甲南大学人間科学研究所が開講している共通教育科目「ライフプラン教育」の、第6回「日本における仕事と子育て – 父親に注目して」にゲストスピーカーとして参加しました。

「子育て」をテーマに社会学、経済学、臨床心理学など専門の異なる先生方が、1、2回生を中心とした50人余りの受講生に、ライフプランを考える多様な視点をもつ機会を提供する全15回の講義です。

受講生は前回の講義で、現在、働き始めたとき、子育てをしながら働くとき、それぞれの一日のスケジュールを書き出していました。将来についてはイメージですが、仕事に使う時間、自分に使う時間、家事や子育てに使う時間などの配分、子育てをしながら働くステージになって、その配分が変わる、さして変わらないなど、受講生の未来予想図は様々でした。

今回の講義では、私の子どもが生まれる前(仕事のみ)、育児休業中(子育てのみ)、復職後(仕事と子育て)のスケジュールを示して、それぞれのステージで何を感じたかを共有することで、受講生がより具体的な、社会、会社、個人の課題を認識してもらうという目的でした。

受講生達が今の私の年齢になる25年後には、仕事と子育てはどんな様相になっているのか、とても楽しみです。

グローバルプロジェクトでの「グローカル」視点/A “glocal” perspective on a global project

日本代表チームの躍進で注目されているラグビーW杯2019。チームの合言葉は”グローカル”(NHKのサイトより)

「グローバル」(Global) X 「ローカル」(Local)という造語

人事エリアでよくあるglobal projectは、最近HCM(Human Capital Management)と呼ばれるもの。Workdayのようなcloud-based solutionを導入して、入社から退職までのemployee journey、talent managementやsuccessionなど人材マネジメント、給与や勤怠などを”global”で展開しようというプロジェクト。

こういうプロジェクトを進めていると、「グローカル」という言葉が何度も頭をよぎります。

部長職くらいの、一定職位以上のtalent managementやsuccession planは、日本の人材、アメリカの人材、中国の人材といったローカル視点ではなく、「グローバル」人材として一元管理する必然性がある。

一方で、給与、社会保険、勤怠などはそれぞれの国での法規制や方向性があり、”global solution”という単一のシステムで対応するのは難しく現実的でない。

「グローバル」がいい分野と、「ローカル」がいい分野が、共存し、隣り合って一つになるグローバルプロジェクトでは、「グローバル」か「ローカル」かという二者択一ではなく、まさに「グローカル」な視点で最適を選ぶのがプロジェクトの妙味ですね。

日本社会のしくみ

最近読んだ本の投稿ばかりですが、通勤の往復1時間で年間100冊近く読めていた頃から10年振りにまた本を読める時間ができ、いい本に出会うとこれまでの経験に基づいた考えなどが整理されます。

小熊英二著「日本社会のしくみ」表紙の画像

新卒一括採用、定期人事異動、定年制など「日本の働き方」を目の前の事象としてのみ捉えるのではなく、これまでの来し方を知ることで、これから先を見据えることができそうです。

高校進学率、大学進学率、そしてそれらの卒業生の数が、企業の”Workforce strategy”に大きな影響を与えてきたというのも面白かった。

Work Rules!

ついに読み終わった!

ここ数年で経験した人事の様々な変化はここから始まっていました!

とても納得のヒントがいっぱいですが、今からこれを真似してもダメで、そのエッセンスを向こう5-10年にどう反映するかが大切に。

フリーランス

これまで全く考えたこともなかった「フリーランス」という働き方。

「フリーランス白書2019」を発表というイメージ

少し前に公表された、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」を読んでみました。

フリーランスと会社員を比較すると、エンゲージメント、専門性コミットメント、キャリア自律のいずれもフリーランスが高い。

フリーランスになって、会社員時代に比べて、人脈、スキル/経験、満足度、生産性、自由時間が増え(上がり)、働く時間とストレスが減った。

フリーランスの課題は社会保障や安定した収入

といったところが印象に残りました。

私の場合は会社員時代から仕事に対する満足度や生産性が高く、働く時間は自分で調整でき、ストレスも感じなかったのは相当恵まれた環境で、すでにフリーランスでしたね。

ヘルスキーパー

これまでの様々な経験の中で、必ずしも「人事」では括れない「ヘルスキーパー」は、管理者、上司としてだけでなく、「経営者」になった気分で導入から運営まで5年も携わったとても楽しい経験でした。

ヘルスキーパーの仲間たちとあれや、これやと企画、実行したのが楽しかったですね。

利用者を増やすためのキャンペーンでポケットティッシュ配ったり。

会社でマッサージ

「ヘルスキーパー」って聞きなれない言葉、コンセプト。

「あん摩マッサージ指圧師」などの国家資格を持った「ヘルスキーパー」が企業内で従業員を対象にマッサージサービスを提供すること。

会社が視覚障がい者のヘルスキーパーを雇用することで彼らの就労機会に貢献し、ヘルスキーパーがマッサージで社員の健康に貢献し、身体もココロも軽くなった社員が仕事で会社とその先にある社会に貢献する。

もっと多くの人たちへ

「ヘルスキーパーによるマッサージを通じて、働く人たちの健康と生産性向上に貢献し、視覚障がい者の雇用促進で多様な人たちが働く社会を築く」

ヘルスキーパー、働く人たち、企業の循環イメージ

という感じで、どうですか? ヘルスキーパーの導入、一緒にやりませんか?

お問い合わせはこちらまで

働く人たちのいろどり

必要な手続きがいくつかあり、久しぶりに銀行の、窓口に行きました。

窓口のあるフロアに行くと、まず50代くらいの男性数名に笑顔で迎えられ要件を尋ねられる。

5つくらい並んだ窓口は40代から50代と見られるベテラン女性たちがテキパキと顧客をさばく。

よく見ると女性の傍らで熱心に指導を受ける若い男性。

窓口の背後に目を向けると30−40人くらい、主に女性がひっきりなしに動いている。その中にはユニフォームを着ていない派遣社員と思しき若い女性も。

そして遥か遠く、一番奥に鎮座するはこのフロアの長であろう50歳前後の男性。

入行後、数年の単位で担当業務や支店を変わり、一定の年齢になると上長となり、そして50代も後半に入る頃にはフロアやATMの前で顧客対応をする男性たち

同じ支店で、同じ業務を長く続け、その間に知識や経験のない若い行員が入れ替わり立ち替わり通り過ぎるのを見守る女性たち

変わりゆく景色の中に、総合職の男性、一般職の女性という構図の名残が今も見られる銀行という場所

支店の統廃合や人員の大幅削減など、大きな変化が起きている銀行という業界は5年後、10年後にどんな景色になっているのだろうか。